伊丹市学校薬剤師部
Itami City School Pharmacists Association
Q 粉じんの検査について③
質量濃度換算計数(K値)とは?
A
K値は、「光散乱方式」の粉じん計で求められた測定値(単位cpm:Count Per Minute)を
質量濃度(単位:mg/m3) に変換する際に使う係数です。
粉じん濃度は一般的にはmg/m3という質量濃度で評価されますが、
「光散乱方式」の粉じん計は、 直接粉じんの質量を量っている訳ではなく、
それと比例している散乱光の強弱を測ってcpmという単位で表現しています。
そのため「光散乱方式」の粉じん計は相対濃度計と呼ばれています。
ある粉じん質の散乱光量(cpm値)と、それが何mg/m3の粉じん濃度に相当するかは、
同一粒子系であれば直線的に比例することが分かっているので、 測定現場で比例直線の傾きを求めれば
粉じん計によって求められた測定結果をmg/m3(粉じん濃度)に置き換えることができます。 この傾きがK値(質量濃度変換係数)になります。
質量濃度(mg/m3)=R・K
R:相対濃度(cpm:Count Per Minute)
K:質量濃度換算計数
K値は、測定を行なう粉じんにより変わるため、測定に際しては、あらかじめまたは同時にK値を求める必要があります。
学校の場合、教室で発生する粉じんの性状に見合った室内空気のK値が示されており、 K=1.3×10-3を用いて粉じん量に換算します。
学薬で使用する機種は、1cpmあたり 0.001 mg/m3となるように較正されています。
学薬の検査においては、K値の設定を行なっておきますので、検査の都度、K値の設定は不要です。
<柴田科学:LD-3C型の測定画面>
<カノマックス:MODEL3432は測定画面にK値は表示されない>