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Q 粉じんの検査について①
  粉じん計の測定原理について

  粉じん計と呼ばれる測定器の原理は「光散乱方式」「光吸収方式」「圧電天秤方式」など数種類の原理があります。
  学薬で使用する機種は、半導体レーザーを光源とした「光散乱方式」の相対濃度計で、得られた相対濃度は、

  ろ過捕集法を基準として求められた質量濃度変換係数(K値)を入力することにより、

  計数値を簡単に質量濃度換算できるデジタル粉じん計です。
  空気中に浮遊している粉じんに光を当てると光が四方八方に散乱します。

  粉じんに当って光が散乱する光景は、 日常生活の中でも垣間見ることができます。

  「早朝、カーテンの隙間から差し込まれるキラキラ光る朝日のスジ」 「映画館内の映画投影機の光の道筋」

    「たばこの煙がまとわり付いてくっきりと浮かび上がるカウンターバーのスポットライト」などなど。

     これらのキラキラ光る光の道筋は全て光散乱という現象があってこそ人の目で認識できます。

     たばこの煙がなくなると光の筋が見えにくくなるのは、光の量が減ったのではなく、

     たばこの煙が無くなって光の散乱量が減っために光の筋が見えにくくなったものです。 (この現象が光散乱方式の粉じん計の根源のようなもの。)
   この散乱光は、同一粒子系であれば再現性がよく、なおかつその粉じん濃度が倍になれば散乱光量も倍になり、

     さらにその反応はたいへん敏感だという特徴を持っています。

     この粉じん濃度と散乱光量が直線的に敏感に比例することを利用して、

     空気中に浮遊している粉じんの質量濃度を散乱光の強弱として測定しているのが「光散乱式」の粉じん計です。

 

 

 

Q  粉じんの検査について②
     キャリブレーション(BG:バックグラウンドの測定、感度あわせ:スパンチェック)を行う必要はないのか?

    ◎デジタル粉じん計(柴田科学:LD-3C型)を使用する場合
    <BGの測定について>
        BG値とは、検出器内部を清浄にしたとき出力される偽計数値のことで、粉じん測定には余計な計数となります。

          測定したBG値は記憶装置に記憶され、粉じん測定値から自動的に減じられます。BG値は電源を切っても失われません。
        本器では、粉じん測定前にBGの測定を行なう必要がありますが、誤操作を避けることを優先させ、

          BG測定は行なわず、 検査を行ないます。 (兵庫県検査センターのご指導による)

    <感度合わせについて>
        散乱板を挿入した時の値を測定し、その散乱板値を標準散乱板値と比較し、 感度のズレを算出して補正値として記憶装置に記憶し、

          自動的に感度合わせを行ないます。
        本器では、粉じん測定前には感度合わせを行なう必要がありますが、誤操作を避けることを優先させ、

          感度合わせは行なわず、検査を行ないます。(兵庫県検査センターのご指導による)

   ◎デジタル粉じん計(カノマックス:MODEL3432)を使用する場合
       キャリブレーションについて、柴田科学の粉じん計を使用する場合、兵庫県検査センターのご指導により、

         誤操作を避けることを優先させ、測定前のキャリブレーションは行なわず検査を行なっていることから、

         カノマックスの粉じん計においても、同様に取扱うこととし、測定前のキャリブレーションは行わなず検査を 行うこととします。
       また、カノマックスの機種には、クリーニング機能もありますが、これも同様とします。

      なお、いずれの場合も、地区担当薬局において、検査開始前にキャリブレーションを行います。

        カノマックスの場合、クリーニングは検査開始前及び終了後に行います。

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