伊丹市学校薬剤師部
Itami City School Pharmacists Association
Q 水泳プールの採水時期について
A
「遊泳中」、「遊泳直後」は、汗や汚れなど有機物も多く、残留塩素が減少し、 不適率がアップする可能性が高いと考えられます。
「遊泳前」に不適なら、「遊泳中」、「遊泳直後」に適合するのは難しくなります。
学校薬剤師が行うプール検査は1日に何度も検査を行なわないし、遊泳すれば水は汚れるので、
「遊泳中」や「遊泳直後」ではなく、できるだけ水のきれいな状態のとき(遊泳前)に検査を行って下さい。
Q 水泳プールの採水地点について
A
「水泳プールに係る学校環境衛生基準」では、採水地点は規定されていませんが、 「日常における環境衛生に係る学校環境衛生基準」では、
「遊離残留塩素は、プール使用前及び使用中1時間ごとに1回以上測定し、 その濃度は、どの部分でも0.4mg/L以上保持されていること。
また、遊離残留塩素は1.0mg/L以下が望ましい。」 とされています。
初めて担当した学校では、検査においては、まず5~6箇所より採水し、
そのプールおける遊離残留塩素濃度及びpHの特性を把握してください。
このうち、1箇所について、兵庫県薬剤師会検査センターに検査を依頼します。
次年度からは、原則3箇所以上より採水することとします。
Q 遊離残留塩素濃度が基準をクリアしているのに、大腸菌陽性となることがあるのはなぜ?
A
その原因としては、
・pHがアルカリ性に傾いていると殺菌力が弱くなる。
・総残留塩素を測定してしまっている(速やかに測定しないと、結合塩素も測定してしまう)。
・水質検査器の比色板が退色している。
などのほか、
・有機物が多いと大腸菌の周りにバイオフィルム様の膜を形成し、塩素が十分にあっても殺菌されないことがある。
といった可能性も考えられますので、日常点検でプールの清掃・清潔に注意することも大切です。